【解説】普天間固定化のジレンマ 反対派「圧倒的民意」 県民投票

「辺野古米軍基地建設のための埋め立て」の賛否を問う県民投票で一票を投じる有権者=24日午後、石垣市真栄里公民館

 24日投開票された「辺野古米軍基地建設のための埋め立て」の賛否を問う県民投票は埋め立て反対が多数を占めた。玉城デニー知事は県民投票の結果を「民意」として日米両政府に突き付ける考えだ。ただ県は米軍普天間飛行場(宜野湾市)の返還に向けた展望を示せず、日米両政府も、宜野湾市民の危険除去に向け「辺野古移設が唯一の選択肢」という立場を崩していない。投票結果が辺野古移設に悪影響を与えた場合、かえって普天間飛行場の固定化リスクが高まるジレンマを抱える。
 昨年9月の知事選で反対派の玉城氏が当選したため、県民投票の結果も反対多数は織り込み済み。移設容認の自民党は自主投票を決定し、容認派の県民も多数が棄権を選択したと見られる。このため投票率は知事選の63.24%を大きく下回る結果となった。

 ただ、反対票は玉城氏が獲得した約39万6千票を上回り、反対派は「圧倒的民意だ」と胸を張る。「シングルイシュー(唯一の設問)で民意を示す」という反対派の狙いは達せられた形だ。
 日米両政府が1996年に普天間飛行場の返還で合意して22年が経過したが、民主党政権も含め、日米両政府は辺野古移設以外の解決策を見出せなかった。その間も04年には宜野湾市の沖縄国際大に米海兵隊所属ヘリが墜落し、最近では17年に普天間第二小グラウンドにヘリの窓が落下するなど、市民は事故の危険性にさらされ続けている。同飛行場が宜野湾市の中央部に居座り続けることで、新たなまちづくりも阻まれている。
 一方で沖縄を取り巻く国際環境は厳しく、中国の脅威にさらされる尖閣諸島は沖縄の行政区域内にある。万一への備えと県民の負担軽減を両立するには、米軍基地を段階的、計画的に整理縮小するほかない。県が訴える普天間飛行場の無条件全面返還を現実的な解決策と呼べないのは明らかだ。
 ただ県民投票の結果が、新たな基地負担を拒否する民意であることも事実だ。「賛成」票もまた苦渋の決断であることを理解する必要がある。政府には辺野古移設の意義を分かりやすく県民に説明し、普天間飛行場以外の米軍施設返還も含め、基地負担軽減の施策をスピードアップさせる責務がある。(仲新城誠)

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