石垣島への陸上自衛隊配備に向け、防衛省沖縄防衛局が駐屯地建設の用地造成工事に着手した。工事着手に先立ち2月27日、配備に反対する於茂登、開南、川原、嵩田の4公民館と防衛省職員が川原公民館で面談したが、対立は解消せず、緊迫したやり取りが続いた。住民側の懸念と防衛省側の回答をまとめた。
■用地選定
住民側は用地選定から問題視。「3年前に戻り、予定地を白紙に戻して話し合いをすべきだ。それが正々堂々と住民に真摯に向き合う姿勢だ」と要求した。
平得大俣地区を駐屯地建設予定地に選定した理由について、防衛省側は「島内での災害などに対応するため、地理的に中央部にあることが利点。一定の施設を置けるだけの面積も確保できる」と説明した。
住民は「誰の合意を得たのか」と詰め寄り、防衛省側は「(用地選定で)合意が制度として義務付けられることはない」としたが、今後も説明責任は尽くす考えを示した。
■弾薬庫
住民は「弾薬庫が非常に開南集落に近い場所にある」と不安視。防衛省側は、弾薬庫と住宅は火薬取締法に定められた距離を確保すると述べた上で「建設前に経産省にきちんと申請し、確認を得た上で建設する」と強調した。弾薬庫を増設する計画は現段階でないが、仮に必要性が生じれば市に説明する方針を示した。