安全保障、日米訓練で議論 住民「カンムワリワシ保護を」
■米軍共同使用
住民は駐屯地内で米軍との共同訓練が行われる可能性をただした。防衛省側は、現段階での共同訓練の計画は否定。ただ「未来永劫を約束しろということであれば、約束は難しいと思う」とした上で「共同訓練は米軍がやりたいからと言って、日本側が常に受け入れている関係にはない。断ることができる」と、将来的にも無条件で受け入れる考えはないと明言した。しかし住民側からは「真っ赤な嘘だ」と野次が飛んだ。
■安全保障環境
住民側は「基地があると標的になりかねない」「我々はここを防衛の空白地帯と思っていない」と批判。防衛省側は「隙のない防衛体制をつくることで他国の侵攻を防ぐ」と理解を求めた。住民は他国の侵攻抑止策について「外交で十分だ」と納得しなかった。
■カンムワリワシ保護
住民側は、市教育委員会がカンムリワシ営巣時期の工事を避けるよう求めていることの認識をただした。防衛省側は旧ジュマールゴルフガーデン入口付近で用地造成工事に着手するが、この場所ではカンムリワシの営巣は確認されていない。「引き続き現況調査で営巣などが確認されれば、専門家、有識者の意見を聞きながら配慮したい」と答えた。
住民側は「意見を聞いている間にカンムリワシはいなくなる」「周辺で見つかっていない営巣がまだある」「私は近くに畑を持っているが、耕したら必ず飛来する」などと反発した。
■水源への影響
住民側は、予定地から排出される水が宮良川や取水場につながっているとして、水源への影響を質問。宮古島では水源への影響を理由に駐屯地建設予定地が変更された例があると指摘した。
防衛省側は、雨水の流れをコントロールしたり、排水を浄化槽で処理する方針を説明した。住民側は「この島に人が住む以上、100%安全という保障がないと納得できない」と首をたてに振らなかった。