ダスキン石垣(嵩原昇代表取締役社長)は11日午後、石垣市健康福祉センターで、「食中毒予防体感セミナー」を開いた。食品衛生の管理に携わっている約30人が参加し、2021年から実質的な制度施行が予定されている「危害要因分析重要管理点」(HACCP)による衛生管理のポイントを確認し、「記録・保管・確認」による管理の「見える化」の重要性を学んだ。
HACCPによる衛生管理は、各原料の受入、製造、製品の出荷までの全工程で食中毒などの健康被害を引き起こす可能性がある危害要因を科学的根拠に基づき管理する方法。
日本食品衛生協会HACCP普及指導員の五十嵐勢男氏が「HACCPに沿った衛生管理」と題して講演し、過去の事例を紹介しながら、その原因と対策を分析。「使用する食材にはある程度の病原微生物があり、有害な化学物質で汚染されている可能性があると認識して、料理に取りかかって」と強調した。
その上で、食品衛生管理を適切に行っていることを、記録に基づき具体的に説明するための「見える化」の方法を解説した。
「小規模な飲食店事業者向け HACCPの考え方を取り入れた衛生管理のための手引書」(日本食品衛生協会HPでダウンロード可)を活用し、▽衛生管理のポイントに沿った計画を作成▽計画に基づき実施して項目ごとに記録。必要であれば特記事項として具体的に記す▽記録を保管し、随時、確認する―ことを呼び掛けた。
講話の後、「衛生のプロによる手洗い指導」も行われ、参加者らはダスキンの検査・診察システムを使い、手汚れを数値で確認。正しい手の洗い方と食中毒予防への手洗いの重要性を学んだ。
手洗いの方法としては、厚労省HPにある動画「ノロウイルス等の食中毒防止のための適切な手洗い」が閲覧できる。