沖縄総合事務局は14日、泡盛の海外輸出を促進させる「琉球泡盛海外輸出プロジェクト」の第5回会合を開いた。宮腰光寛沖縄担当大臣や関係機関の代表者らが出席、輸出促進のための行動計画改定案を審議し了承された。訪日外国人客と海外市場に対する視点や、具体的な商流につなげるビジネス視点も追加。海外販路の拡大に向け、泡盛業者と販売事業者などとのマッチングにも力を入れるとした。
プロジェクトでは、2020年の泡盛総輸出量の目標値を現状の約2.3倍である70㌔㍑にする。ただ、2018年の輸出量は17年と比較して約6%程度の伸び率であり、関係者からは目標達成のためには「1年間で5割増しを2年続ける必要がある」との説明があり、目標達成には厳しい環境であると指摘する声もある。
審議中、泡盛の販売促進や振興策について、さまざまな意見が出た。宮腰氏は、宴会では地域の特産酒などで乾杯することを勧める「乾杯条例」を沖縄でも制定すべきと主張。「関係団体が一致して、県議会に請願して頂きたい。(新里米吉)県議会議長とも話をしている」と述べ、新里氏も前向きだとし、必要性を強調した。
泡盛マイスター協会の新垣勝信会長は「現場の客に即した対応がいる」と指摘。若者の泡盛を飲む機会が減り、外国人客はカクテルを好む中、既存の泡盛の飲み方では不十分だと訴えた。内閣府の後押しで泡盛カクテルコンペの優勝者を海外派遣し、認知度を上げるべきと話した。
日本ソムリエ協会の田崎眞也会長は世界のソムリエコンクールに、泡盛が出されたと話し、世界的な認知度は高まりつつあると指摘。泡盛が属する蒸留酒を食事中に飲む北欧やバルト三国、ウクライナなどへ、売り込むべきと主張した。
会合には、中国の貴州茅台酒を国内販売する企業の担当者も参加。世界中で著名な貴州茅台酒の販売戦略について説明した。