【視点】危うさ感じる知事訪中

 中国は現在、世界各地に巨額の投資を行い、自国の重要拠点として利用する「一帯一路」構想を進める。投資を受け入れた結果、膨大な債務を抱え、中国の影響下に入らざるを得なくなった国もある。中国とは実利優先で、双方が得をする「ウィンウィン」の関係を築くべきと言われるが、経済交流をどこまで進めるべきか、慎重な見極めが必要だ。国内にも鳩山由紀夫元首相のように、日本、沖縄を「一帯一路」に加えるべきと主張する著名人がいる。そうした提案を、知事は安易に受け入れるべきではない。
 知事と中国側要人の一対一の会談は予定されず、具体的な商談をまとめるわけでもないようだ。そうであるなら、知事本人が外遊する意義は薄い。
 折しも知事が訪中している最中の17日に、石垣市の行政区域である尖閣諸島沖で中国公船4隻が領海侵入した。今年12日目の挑発行為だ。
 玉城知事はこれまで公の場で中国に厳しい態度を示しておらず、今回もこの件で、中国側に面と向かって抗議するとは考えにくい。
 沖縄県のトップが中国の領海侵入を棚上げにして、笑顔で中国側要人と握手したという事実だけが残ってしまいかねない。「県民は領土など気にしていない」という誤ったメッセージを中国に送ることにならないか。
 翁長前知事は保守派の批判を浴びながら、意固地になったように毎年の訪中を続けた。玉城知事は翁長氏の方針を機械的に引き継ぐのではなく、外遊にも「デニーカラー」の発揮を心がける必要がある。

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