米軍普天間飛行場の辺野古移設が争点になった衆院沖縄3区補選は、辺野古反対の屋良朝博氏が初当選した。一方、報道各社による出口調査を見ると、若い世代ほど、辺野古を容認する島尻安伊子氏の支持が多い傾向になっている◆沖縄県が実施した県民意識調査でも、沖縄に米軍基地が集中する現状を「差別」と感じる割合は、若い世代ほど低い。選挙結果とも関連がありそうだ◆米軍基地の負担軽減を進めるべきことに保守、革新とも異論はない。しかし、抑止力の維持も重視する現実派を「保守」、早期に基地のない沖縄を目指す理想派を「革新」とするなら、若い世代はおおむね保守的な考え方が多いことになる◆これは全国的な傾向のようだ。「若い世代は経済的に安定した時代に生まれ、現在の日本社会を肯定的に感じている」「高齢者と異なり、新聞やテレビが報じない中国や北朝鮮の脅威をネットで知ることができ、国際社会の現状をシビアに分析している」などと推測する声がある◆いずれにせよ世代交代は確実に、徐々にやってくる。現在の若い世代が沖縄社会の主流を占める時代が来れば、米軍基地を巡る沖縄の世論が大きく変化する可能性は否定できない。それは沖縄の選挙のあり方も変える。案外その時は近いかも知れない。