2019年度の明和大津波遭難者慰霊祭(石垣市主催)が24日、石垣市の宮良タフナー原の同慰霊の塔前で開かれ、参列者が犠牲者の冥福を祈った。小・中学生の作文朗読では、災害の教訓を次世代に伝える誓いを述べた。
中山義隆市長は式辞で平成の31年間に起きた大地震などを振り返り、「重要なことは過去の教訓から学び、一人ひとりが自分自身の大切な人の命を守るため、防災・減災の意識を高く持ち、常日頃の備えを整えること」などとあいさつ。市として今後も防災力を強化する考えを示した。
作文朗読では、白保小学校6年の照屋幸加さんと、大浜中学校3年の仲筋空咲さんの2人が発表。「今、私にできること」と題して朗読した照屋さんは、明和の大津波について学んだことを報告。「避難訓練を真剣に行う」「日頃の備えをしっかりする」など、防災への関心が高まったことを伝えた。
仲筋さんは「未来へつなげる 人とのつながり」と題して発表。「数々の災害から得た教訓を、知恵を生かして、人と人、地域と地域で協力していくことが重要」と考えを述べた。
このほか、石垣市老人詩吟クラブのメンバーは、故・牧野清氏の「慰霊の塔に寄す」の詩を吟じて奉納。その後、参列者が献花し、犠牲者の冥福を祈った。
明和の大津波は1771年(明和8年)4月24日、石垣島東方で起こったとされる地震。大津波は3度押し寄せたとされる。1983年に明和大津波遭難者慰霊碑建立期成会が慰霊の塔を建立。以降、毎年慰霊祭が開かれている。