【青年弁論大会】日本民族にとっての沖縄 国民同胞感と祖国防衛の精神の恢復(かいふく)を目指して

 慰霊とは国民の務めであり、その意味は「御霊安らかなれ」と祈ることに加えて、御霊の精神の顕彰、歴史の継承にあると思います。沖縄戦で命を散らした御霊の精神とは、祖国を守らむとする防人の精神そのものです。そして自分たち、沖縄県が祖国に復帰するよりも先に、国に殉じた家族・同胞を祖国のもとに還したことが、「自分たちもそこに連なり、必ず祖国のもとに還るんだ」という祖国復帰の信念の源となり、その実現につながったのだと思わずにはおれません。この5月15日という日は、英霊・沖縄・祖国が一体となった日本民族共通の歴史です。これが祖国復帰の真実であり、日本民族にとって沖縄とは同胞、一体であることをおいて他にありえません。
 私は、学生であった昨年、仲間と共に全国41大学を巡り、5021名の学生に対して自衛隊を憲法に明記することについての賛否を伺うアンケートを行い、「よく分からない」と答える学生には対話する中でその意義を伝えてきました。理由は、航空自衛隊によるスクランブル発進の回数が年間1168回を記録したこと、すなわち国の存立を脅かす危機が目前に差し迫っているにもかかわらず、国家の最高学府たる大学の学問が現実と乖離(かいり)していたからです。特に憲法改正が国民の注目を集めている中に受講した「日本国憲法」の講義の内容は、全15回の内11回が人権論と偏っていました。今、真に語るべきは人権よりも国家主権ではないでしょうか。

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