【視点】自然の猛威に身構えよう

 西日本の豪雨は被害が拡大を続けており、8日、死者数は80人以上に達した。政府は非常災害対策本部を設置し、安倍晋三首相は「甚大な被害が広域で生じ続けている。先手先手で被災者支援に当たってほしい」と指示した。

 沖縄では5日に先島諸島で記録的豪雨となり、各地で道路冠水や床下浸水の被害が出たばかりだが、今度は非常に強い台風8号が10日にも襲来し、暴風域に巻き込まれる恐れがある。自然の猛威には常に身構える姿勢を忘れず、万一の備えを固めなくてはならない。

 8日に日本の南に達した台風8号は最大風速55㍍、最大瞬間風速75㍍で、進路によっては大きな被害も予想される。

 戸締りを厳重にする。屋外にある飛ばされそうなものは、片づけるか固定する。仕事は早めに切り上げて帰宅する。懐中電灯の準備や食料の備蓄を行う。非常時の情報源となるラジオを用意する。思いつくだけでも、台風の襲来前にやらなくてはならないことは多い。

 台風接近のニュースを聞くと住民は緊張するが、沖縄は台風の常襲地帯であるため、ともすれば日常茶飯事のように受け流してしまうきらいがなくもない。気の緩みがないようにしたい。

 台風の場合はある程度準備ができるが、災害は突如としてやってくる場合が多い。地震や津波では、日ごろからの防災意識が文字通り生死を分けることもある。

 石垣市は津波対策のため、新庁舎を高台に新築する。また、景観上の問題から、地域によっては実施していた建物の高さ制限を緩和する方向で検討を進めた。

 川平湾などの景観で有名な石垣市川平地区では、住民に対する事前の説明不足などを指摘され、建物の高さ規制緩和はいったん頓挫した。しかし防災対策の重要性が薄れたわけではない。規制緩和に対する住民の理解を得る努力は今後とも必要だ。

 西日本の豪雨では、自衛隊による災害派遣活動が本格化した。今回は警察や消防だけでは対応が難しい災害で、特殊装備を持つ自衛隊が救助、捜索、被災者の支援に至るまで存在感を発揮している。

 石垣島への陸上自衛隊配備は、この先50年、100年先の島の防災対策を考える上でも重要だ。「備えあれば憂いなし」の原点に立ち返り、スムーズな配備実現を求めたい。

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