沖縄観光2次交通の利便性向上に向けた検討委員会(委員長・伊藤昌毅東大特任講師)が4日、県庁で開かれた。県は増加する観光客による交通渋滞を緩和するため、県が、公共交通機関や観光施設の情報を大手検索サイトで検索できるようにする「沖縄観光2次交通機能強化事業」を進めており、観光客のバスなどの利用を促進。この日は昨年度の実績について報告があった。
それによると、県内の52社バス・船舶事業者のうち、50社が事業に賛同し、データを提供している。宮古・八重山圏域についてもデータ整備が完了した。
八重山の業者は沖縄本島の業者に先行し、大手検索サイトを利用した路線バスや離島運行船舶などの乗り換え検索が可能になった。県は今後、宮古・八重山の実証実験の結果を踏まえ、沖縄本島でも同様の検索ができるよう整備を進める予定。
大手検索サイトでは、八重山・宮古圏域の交通データについて、目的地への移動方法を検索できる。八重山圏域に関しては、バスや船舶業者の情報だけでなく、水牛で観光するサービス業者も検索できるよう調整が続けられている。今後、バスや船舶の現在位置も表示するため、検討が進められている。
委員会では、観光客の消費拡大・満足度向上を促すため、八重山の情報を活用した施策策定に向け、アイディアを出すイベントを9月に那覇と東京で開催する。IT技術者に数日間でアプリケーションを開発してもらうイベントも年末に開催する。
一方、管理者が不在のビーチや岬などの情報の更新について、不備があるとの指摘もあった。予算について旅行業関係者からは「観光地経営のデジタルマーケティングのため、地元観光協会にも費用負担が必要と理解してもらうべき」との意見が出た。