石垣市は、ごみ焼却施設(クリーンセンター)での廃プラスチック焼却を早ければ2023年度から開始する方針を固めた。廃プラは現在、一般廃棄物最終処分場に埋め立てられており、焼却することで処分場の延命化が図られる。市はクリーンセンター周辺の3公民館と「廃プラは焼却しない」とする公害防止協定を結んでいるが、年度内に協定を改定したい考え。14日までに3公民館への説明を終え「住民の理解は得られた」(前浜孝始環境課長)としている。
市は1997年のごみ焼却施設完成時、名蔵、嵩田、バラビドーの3地区との間で公害防止協定を締結し、廃プラ焼却時に発生するとされるダイオキシン類の被害を防止するため➀プラスチック類を分別して焼却しない➁施設は増築、拡張しない―と定めた。
その後、排ガス処理技術の進展を踏まえ、市は2015年度に実証実験を実施。現施設の改造を前提に、廃プラを焼却してもダイオキシン類の濃度が基準値範囲内に収まることを確認した。
これを受け、施設の基幹改良工事に入る方針を固め、3公民館に対し、21年度に設計・製作、22年度に2号炉から工事開始、23年度から廃プラの焼却開始―というスケジュール案を提示した。焼却炉は2炉あり、1炉を稼働させながら、別の1炉の改良工事を行う。ごみ分別の方法は21~22年度前半までに変更する。
基幹改良工事によって、ごみ処理能力の回復や、設備の省エネ化も図られる見通し。市は「現在、年間に1万1千時間程度の運転時間が約7千時間に短縮され、消費電力量が削減される」としている。工事によって15年の延命化を図り、38年度までの使用を目指す。
将来的なごみ焼却施設の建て替えに当たっては、現在の協定に従い、3地区を建設地としない方針も改めて伝えた。
公害防止協定は現在、名蔵地区と、嵩田地区・バラビドー地区の2件に分けて締結されているが、市は1件の協定にまとめて改定する方針。