【視点】県政と離島 深まる溝

 県議会で石垣市区選出の大浜一郎氏は「知事は前知事から離島軽視も引き継いでいるのか。『与那国は知事からネグレクト(無視)されている』という寂しい声が聞こえた。チムグクルは八重山に向けられているのか」とただした。
 池田竹州知事公室長は「大臣は災害以前から視察日程が組まれていたと聞いている」と釈明。玉城知事は「ネグレクトとか、そういう気持ちが私の中にあることは決してない」と語気を強めた。
 しかし、沖縄本島の人たちの心の奥を探るとどうだろうか。
 知事と大臣の対応の差は、こんなふうにも考えられる。東京から見れば、本島も離島も等距離の「沖縄」であり、差別という考え方はそこにはない。本島の辺野古も離島の尖閣も、同じ沖縄の重要な問題だ。
 一方、本島から見れば宮古、八重山は辺境の地に過ぎない。辺野古は目の前の緊急事態だが、尖閣は海のかなたの話だ。勢い本島の問題が常に最初にあり、離島は後回しになる。
 東京と沖縄本島という視点や視野の差が、県政による離島の「冷遇」、政府による離島の「厚遇」の根底にあるのではないか。そうであれば本島による離島への「構造的差別」が存在することになろう。
 県政が常に離島と縁遠かったわけではない。仲井真弘多元知事は在任中、与那国島に泊りがけで足を運び、住民と懇談する機会を持ったことがあった。トップが強い意識を持てば、それなりの取り組みは可能だ。
 だからと言って、翁長前知事や玉城知事が冷たい心情の持ち主であるわけでもない。要は政治的スタンスの違いであり、離島に足が向かない理由は、知事選で宮古、八重山の得票が少なかったことに尽きるのかも知れない。
 いずれにせよ宮古、八重山から県政に「離島軽視」というキーワードが投げつけられる現状は尋常ではない。何かにつけ辺野古移設問題が優先されがちに見える県政へ、離島からの重大な「異議申し立て」と言えるだろう。

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