「沖縄地域における希少な動植物の密猟・密輸対策連絡会議」の初となる八重山担当者会議が20日午前、竹富町役場2階ホールで開催された。関係省庁や石垣市、竹富町の関係課、航空・運送会社などの民間の関係団体担当者らが密猟・密輸の現状や課題を共有、意見交換し、連携強化を図った。
会議では八重山地域での密猟・密輸対策の現状について各団体の対応を確認。カメを空路で持ち出そうとした例やカエルを郵送しようとした例など、最近の事例から教訓や今後の課題を共有。
今後石垣島では水際対策として、年度内に航空会社や保安検査を行う警備会社などを対象に、実物やエックス線写真を用いた希少種識別の研修会を行う。また警察などと連携した合同パトロールも実施していく方針。
奄美・沖縄地域での現状として▽野生動植物に関する国内法▽2018年度に発覚した密猟・密輸事例▽密猟・密輸が懸念される与那国島の希少種▽関係機関と連携した密猟・密輸出対策の推進―などを共有した。
このうち対策推進では、希少生物の認識ができるスマートフォンアプリの開発が挙げられ、現在対象はカメのみだが、年度内に那覇空港で実証試験が行われる。
環境省沖縄奄美自然環境事務所石垣自然保護官事務所の藤田和也上席自然保護官は「かつてに比べ密猟・密輸は増えている。担当者会議は1年に少なくとも1回は開いていきたい」と話した。
現在、石垣市希少野生動植物保全種は動物20種、植物83種。竹富町の特別希少野生動植物は動物26種、植物17種。