環境省は7日、在来の生態系に悪影響を及ぼすとされる特定外来生物のカエル「シロアゴガエル」を西表島で根絶したと発表した。17年5月にオス成体を捕獲したのを最後に2年4カ月間、生息が確認されていないため判断した。シロアゴガエルが繁殖した島で根絶を達成した事例はなく、全国初という。
西表島では2015年8月27日、上原地区で調査員が鳴き声を聞いたことで侵入が確認された。同年10月21日には卵塊が発見され、西表島で繁殖していることも判明した。
環境省は上原、中野両地区でシロアゴガエルの防除を行い、成体61固体などを捕獲した。
シロアゴガエルは東南アジア原産のアオガエル科シロアゴガエル属の一種で、県内では沖縄本島や石垣島、宮古諸島に生息。鹿児島県でも与論島で確認され、南西諸島の広範囲に定着している。
新たな寄生虫の感染や生活場所、エサなどを巡って在来のカエル類などに悪影響を与える可能性が指摘され、環境省は06年2月に特定外来生物に指定、飼育や保管、運搬を禁止した。
県内では1964年に沖縄本島中部で発見されたあと生息域を拡大。07年には石垣島で発見されていた。