「生物多様性感じてもらえた」 世界遺産登録へ島の自然視察

「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」についてのIUCN現地調査の感触を報告する環境省などの担当者ら=12日午後、国際サンゴ礁研究・モニタリングセンター

 「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」の現地調査を終えた国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関。12日に環境省や県の担当者などが石垣市で開いた記者会見では、報道陣から訓練場跡地で米軍の廃棄物が見つかっていることについての質問が相次いだが、環境省側は「防衛省に適切に回収してもらっている」と述べるにとどめた。
 政府は2017年に奄美・沖縄を推薦したが、国際自然保護連合(IUCN)は翌18年、沖縄本島の米軍北部訓練場跡地の森林が推薦範囲に含まれないことなどを問題視し「登録延期」を勧告。政府は今年2月、跡地の森林を追加して区域を拡張し、再推薦した。

 環境省によると、IUCNのスイスとスウェーデンの専門家2人が今月5日に現地入り。推薦地がある4島を回り、延期勧告後の改善状況などを説明した。希少種のアマミノクロウサギや、寝ているヤンバルクイナの姿も確認したという。
 西表島では、河口に架かる橋からマングローブ林などを視察した。沖縄県の担当者は「生物多様性をじかに感じてもらえたのではないか」と手応えを示した。
 IUCNは来年5月ごろ、登録にふさわしいかどうかをユネスコに勧告し、来夏の世界遺産委員会で審査される。

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