【視点】知事、繰り返される展望なき訪米

 玉城デニー知事は米軍普天間飛行場の辺野古移設反対などを訴えるため、14日から訪米した。米国政府や議会関係者に対し、移設先の辺野古沿岸で軟弱地盤が確認され、工期や運用が不透明だとして移設計画の中止を求める。カルフォルニア州スタンフォード大での講演も予定されている。
 翁長雄志前知事も辺野古反対を直訴するための訪米を繰り返したが、米国政府を動かすことはできなかった。玉城知事は就任後2回目の訪米だが、前回の訪米でどのような成果があったのかも定かではない。
 今回も訪米直前の時点で、知事が米側の誰と会うのかすら発表されない状況である。これでは支持者向けのパフォーマンスと批判されても仕方がない。費用対効果を考えれば、展望のない外遊が繰り返される現状は疑問が多い。
 普天間飛行場移設問題は基本的には日米両政府が交渉の当事者であり、米政府側としては「沖縄県は日本政府に要請すべきだ」という反応になる。日本政府側から見れば、沖縄が安全保障問題に関し、国の頭越しに外交を展開しているように見えるはずだ。
 翁長氏以来の訪米の歴史は一貫してこうしたことの繰り返しであり、移設阻止の決め手を見出すことはできずにいる。

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