インパール作戦生還者と面会 インドの音楽家ら竹富訪問

赤山喜介さん(中央)と感激の対面を果たして喜ぶマンカさん(右)たち=竹富島の赤山さん宅㊧、民俗楽器のリズムに合わせて全員で踊るなど、貴重な経験をした=竹富小中学校㊨

 第2次大戦の大激戦地として知られるインド北東部のインパール(インド・マニプール州)から、同地域を代表する伝統音楽家のマンガンサナさんら3人がこのほど、竹富島を訪問。島に住むインパール作戦の生存者、赤山喜介さん(100)と面会した。同作戦は日本軍の最も凄惨な作戦の一つとされ、日本兵7万5千人の死傷者の大半は餓死と病気によるものとされる。一方で、インド独立のきっかけになった戦いとも言われる。

 インパールの激戦地跡には今年、日本の支援で平和資料館が開館しており、マンガンサナさんたちは開館記念コンサートで「安里屋ユンタ」を演奏したという。
 インパール作戦から戦禍を潜り抜け、奇跡の生還を果たした赤山さんは当時を振り返り「住民同士に悪い感情は何もない。絶対に再び戦争をしてはいけない」と力を込めた。
 マンガンサナさんの娘で音楽家のマンカさんは「安里屋ユンタで、私は竹富島に思いを馳せた。今度は私の歌で、竹富島の子どもたちが、インパールに思いを寄せてくれたらうれしい。音楽の力で平和に貢献したい」と熱い思いを話した。
 マンガンサナさんらは竹富小中学校を訪問、音楽を通じた平和交流を行った。
 演奏会ではマニプール州に多く住んでいるメイテイ民族の伝統楽器、ペナが紹介され、脈々と受け継がれてきた豊かな民俗音楽の世界を体験した。また「安里屋ユンタ」を一緒に歌うなど、音楽を通じた文化交流をした。ペナを演奏体験した内盛正隆さん(小3)は「三味線と同じかと思ったけど、弦がひとつで、全然違った」と興味深そうだった。演奏会は、笹川平和財団の協力で実現した。
    (隅田賢通信員)

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