自衛隊と在日米軍はこのほど、部隊を指揮する将校(幹部)を補佐し、現場隊員を統括する日米の上級下士官らが参加するシンポジウムを嘉手納基地で開催した。参加者からは中国の軍拡に警戒感を示す意見が相次いだ。
米軍関係者は、2001年の同時多発テロの影響で「テロとの戦争」に没頭した米国に対し、中国は兵器の近代化を進めたと指摘。「中国は日本周辺地域で強い影響力を持っている」と懸念した。自衛隊関係者は「(中国軍は)数だけではなく、本当の実力をつけている。我々も下士官の規律を保たねばならない」と危機感を示した。「日本には尖閣諸島など、沖縄を守る重要なミッションがある」と強調する声も出た。
米側からは今年に実施した合同軍事演習について「中国への戦略的メッセージにもなった。オーストラリアの艦船とも共同で作戦を遂行できることを示した」との指摘もあった。在日米軍の運用性を高めるため、日米合同の会議や訓練を増やすべきとの意見もあった。
シンポの前には、在日米軍トップのケビン・シュナイダー中将が訓示。「日米同盟は世界で最も重要な同盟。70年以上も平和と安定を実現した」と述べた。