県が23日発表した2019年の入域観光客統計概況は1016万3900人で、前年を31万6200人(3.2%)上回り、7年連続で過去最高になった。暦年では初の1千万人台。国内航空路線の拡充や、中国などからのクルーズ船寄港が観光客数を押し上げた。
国内客は過去最高の723万3900人で、対前年比29万人(4.2%)増。ゴールデンウィークが10連休となり4月では初めて60万人を超えたことや、成田―下地島(宮古)路線の新規就航などが奏功した。東京、関西、福岡、名古屋の各方面でいずれも前年を上回った。
外国客も過去最高の293万人で、対前年比2万6200人(0.9%)アップ。反日感情の高まりによる韓国客の訪日自粛で航空路線が減少したものの、クルーズの寄港回数が増加したことが全体を押し上げた。
地域別では台湾が93万9700人(前年比5.6%増)で最多となり、中国本土75万4200人(同19.3%増)などと続いた。
台湾客の90万人台、中国からの観光客数はいずれも初の70万人台。中国からは今後の新規就航も調整中だという。3月以降はビザが取りやすくなる関係で同国からの観光客が増えるとの予想もある。
香港客は約25万7千人(同5.9%増)で、過去2番目の多さになった。韓国客は約38万人で、空路を中心に急減し、前年比3割減となった。
県は観光客増の要因として①行政や民間が一体となったプロモーション活動による沖縄の認知度向上や旅行意欲の喚起②前年の麻しんや自然災害の反動増―も挙げている。
20年は那覇空港第2滑走路の供用開始などが予定されており、沖縄観光は引き続き「堅調に推移するものと見込まれる」としている。ただ、中国で感染が拡大している新型肺炎の侵入防止が新たな課題になる。