防衛省が進める石垣島への陸上自衛隊配備計画で、市公有財産検討委員会(委員長・川満誠一副市長)が5日、市役所で開かれ、駐屯地建設予定地となっている平得大俣地区の市有地約㌶の売却額と賃貸料を承認した。市有地処分に向けた同委員会での手続きは終了し、市は沖縄防衛局の申請書提出を受け、21日開会する市議会3月定例会に市有地売却の同意を求める議案を提出するスケジュールで作業を進める。
市契約管財課によると、市有地のうち約14㌶(10筆)を売却、約9㌶(3筆)を貸し付ける。今後、沖縄防衛局は市公有財産規則に基づき、市有地の売却申請書、貸し付け申請書を市に提出。中山義隆市長が決済し、市有地売却の同意を求める議案を議会に提出する。貸し付けについて議会の同意は必要ない。
駐屯地建設予定地は約46㌶で、残る約23㌶は民有地となっており、一部で造成工事が始まっている。売却額は不動産鑑定の価格に基づくが、沖縄防衛局は「他の交渉に支障が出る」という理由で賃貸料と共に現時点で公表しないよう求めており、市は議案上程時に公表するとしている。
防衛局の申請書提出時期について市契約管財課は「それほど時間はかからないのではないか」としており、年度内に用地取得を完了させる必要上からも、3月議会までには間に合わせる可能性が高い。
市有地の処分に関し、同委員会は昨年6月に第1回、昨年11月に第2回の会合を開き、審議を続けてきた。第2回会合で売却と貸し付けの方針を決めていたが、その後、今年1月21日付で防衛局側から売却面積と貸し付け面積の提示を受け、売却額と賃貸料を確定させた。
市有地は12筆だが、売り払いと貸し付けに伴って一部を分筆するため、処分案では13筆となった。
配備予定地周辺の3公民館や、配備に反対する市民団体は市に市有地を処分しないよう要請しており、反発を強めるのは必至。3月議会では市有地売却議案を巡り、与野党の攻防が激化しそうだ。