国、県、一般財団法人沖縄美ら島財団は4日、昨年10月末に焼失した首里城正殿などの火災現場を報道陣に公開した。御庭には、正殿、北殿、南殿の瓦が破損した状態で山積みされ、焼け残った配管や配電盤も、火災発生当時のまま置かれていた。木造建築の正殿は完全に消失し、北殿と南殿はコンクリート製の壁面が焼け残り、むき出しとなっていた。奉神門から先にある焼失建物の公開は初めて。
与那国島産の細粒砂岩で造られた大龍柱は一対がすすけた状態で立っていた。表面の一部が焼け、ひびも入っているため、応急処置後、移動して最終的な修理を行う。修理は2月下旬から開始する見込みで、外見をとどめるため、保護シートをかける。
南殿・番所は骨組みが残ったが、赤瓦が落ちたり、窓ガラスが割れたりしていた。
5日から破砕した瓦などの撤去準備を開始し、2月下旬から分別や撤去を始める。火災で被害を受けた北殿、南殿、南殿番所、黄金御殿(くがにうどぅん)は安全性確保や今後の復旧・復興のため取り壊す予定。
国の担当者は、今後、安全性を確保した上で、がれきを分別するイベントも検討し、市民らが参加しながら再建していく考えを強調した。
県民が参加できるボランティアの復旧作業は、県がホームページや広報誌で周知し、人員を募集する。漆喰を瓦から外す作業などを行う作業員を一定期間募集する予定。
一般県民や観光客向けの公開は、ゴールデンウィーク(GW)頃になる見通し。
焼失までに正殿で公開されていた遺構は、砂を入れ戻す覆砂(ふくさ)と呼ばれる作業を行い、再び公開される予定。GWごろの一般公開に合わせる。
国や県は、焼け残った瓦などを展示する意向を示している。5日から専門家が御庭の破砕瓦から展示予定物の選別を開始する。財団が回収・保存し県が譲り受け、利活用する。保存場所は今後、検討する。