観光客数目標の発表延期 クルーズ船入港中止相次ぐ

2019年1月、中国アモイから石垣港に入港したクルーズ船

 八重山ビジターズビューロー(YVB、会長・中山義隆石垣市長)は、2020年の入域観光客数の目標値を14日に発表する予定だったが、中国を中心に新型コロナウイルスの感染が拡大している問題を受け、急きょ延期を決めた。外国人観光客の多くを運ぶクルーズ船の入港中止が相次いでおり「今後の観光への影響は、様子を見ないと何とも言えない」と困惑している。目標値をいつ発表するかは現時点で決まってはいない。
 YVBは1月末の理事会で入域観光客数の目標値を発表することを決めていたが、新型肺炎に関する国内外の報道が相次ぐ状況を受け、関係者から「延期したほうがいいのではないか」との声が上がったという。記者会見の延期は今月12日、報道各社に通知した。

 八重山入域観光客数は、19年に過去最高の約148万2千人に達した。前年107回だったクルーズ船の石垣入港が148回に増えたことなどが観光客増を後押しした。
 今年も2月は11回、3月は25回の入港予約が入っていた。ただ2月に入り、7日に石垣入港予定だったクルーズ船「ウエステルダム」に新型コロナウイルス感染の可能性がある乗客がいたとして、政府が入港を拒否。10日、12日にいずれも台湾基隆から入港予定だった「スーパースターアクエリアス」「ぱしぃっくびいなす」も、相次いで入港中止になった。3月も3隻の入港中止が決まった。
 現在のところ、今月15日以降に「スーパースターアクエリアス」は基隆から5回の入港が予定されている。26日には中国深圳(しんせん)からのクルーズ船入港の予約も入っているが、実際に入港するかは不透明な状況と見られる。
 クルーズ船の入港が中止になった場合は、バス、タクシーや、乗客が訪れる小売店などの売り上げに影響が出る。ただ現時点で、観光業界への影響がどの程度広がるかは未知数。
 石垣市観光交流協会の大松宏昭会長は「クルーズ船の乗客から患者が出て、風評被害につながることが一番恐い。感染の恐れがあるなら、現段階では入港を自粛してもらったほうがいいのではないか」と話した。

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