沖縄の日本復帰50周年を記念した「美ら島おきなわ文化祭」の一環として、竹富町は沖縄の原風景を色濃く残す竹富島の文化財や自然を巡るツアー「ぶらまち竹富島」を開催している。25日のツアーでは竹富島地域自然資産財団の上勢頭立人(たつじん)理事の案内で参加者が島内を巡回した。
竹富島の始まりの地とされている東パイサージ御嶽を出発し、国指定重要文化財の旧与那国家住宅を訪問。家屋の配置や意味などの解説を交え、参加者からの質問にも答えながら学びを深めた。
犬が発見したとされるナージカー(仲筋井戸)、地域の中心的な存在のサージオン(仲筋御嶽)を回った。安里屋クヤマ生誕の家では上勢頭理事が三線を奏でながら安里屋ユンタも披露。時代背景も交えてクヤマのエピソードも紹介した。
なごみの塔のある赤山公園、島の代表的な祭「種子取祭(タナドゥイ)」が開催される世持御嶽、高嶺家へと歩いた。石敢當の意味、自生する草花の紹介など、島の歴史や文化を多角的な視点から学んだ。
ツアーに参加した小浜島出身の高校3年生、柘植沙夏(さな)さんは(18)「とても楽しかった。竹富島には遊びできたことはあったけど、普通に来た時とは違って小浜との関わりや歴史が学べたことには驚いた。小浜のことも勉強してみたい」と振り返った。
芝浦工業大学の大学院生で建築と風景を研究しているブラジル出身のフセイン・アリさん(26)は8月~11月まで竹富島に滞在している。
ツアーを終え「観光客が島の歴史を理解し、ただ見て帰るだけではなく、もっと深く知ることが重要。伝統文化を守るためにも観光客により理解してもらうことが未来につながる」と感想を述べた。
ツアーには1回につき、10人程度が参加し、一般財団法人竹富島地域自然資産財団のガイドで島の成り立ちや歴史、文化を学ぶ。22日に第1回があり、28日に最終回となる第3回が行われる。