沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB、下地芳郎会長)は4日、肺炎を引き起こす新型コロナウイルスの感染拡大による県内観光への影響をまとめ、3~5月は対前年比で入域観光客数が150万人減、消費額が1千億円減となる試算を公表した。
外国客は、空路が3月第2週の就航便数の減少割合を前年実績に乗じて算出。5月は減少率が10%ほど回復すると想定した。海路は、3、4月はクルーズ船の寄港がすべてなくなり、5月は10%ほど回復すると想定した。
国内客は、3月以降、団体、個人客ともに大きく落ち込み、5月は小幅ながら回復すると想定した。
OCVBは、4日に航空会社や旅行会社、宿泊関連団体などを招いた「沖縄観光リカバリープロジェクト委員会」を開き、試算結果を説明。
参加した委員からは「ゴールデンウィークの需要を取り込むタイミングでこういった状況が続くと、非常にダメージが大きい」「観光の回復が最大の経営支援。事態が収束した際には県民一丸となって沖縄への誘客施策を展開したい」といった声が上がったという。
また、OCVBは2日、3~5月の「観光天気予報」を発表し、空路、海路とも3カ月連続してすべて「雨」とした。
空路では、国際線で韓国路線の訪日自粛に伴う運休・減便に加え、新型肺炎関連の中国、台湾、韓国、タイ路線での運休・減便の影響、海路で中国航路のクルーズ船のキャンセル、国内線では学校の休校、イベント自粛の動きの中で旅行マインド低下の影響が出ていることを考慮した。
「雨」は、沖縄への観光入域客数が対前年比90%未満の水準と予測された場合に使われる。