石糖「全面建て替え困難」 国、年次的な設備更新求める 事業費負担考慮か

操業中の石垣島製糖の工場(資料写真)=2017年

 石垣島製糖の新工場建設を巡り、山田善博農水部長は10日の市議会一般質問で、県、国が「全面建て替えは難しい」として年次的な整備計画の策定を求めていることを明らかにした。同社は全面建て替えを求めているが、県、国は事業費の負担を考慮し、建物や設備の年次的な更新が望ましいとの考えを示したものと見られる。全面建て替えの場合の事業費は約260億円に達する見込みで、現時点で事業主体は決まっていない。
 新製糖工場建設の進ちょく状況は砂川利勝氏が質問した。山田農水部長によると、農水省は昨年12月、石垣市で補助事業である「産地パワーアップ事業」の説明会を開いた。同社に対し、年次的な整備計画を策定し、安定的な操業や働き方改革に対応できる省力化施設の導入と工場の改修・改善を行うことが望ましいとの見解を示した。県も同事業で、工場の部分的な更新による長寿命化を求める方針。

 県、国は「全面建て替えは難しい。耐震強度の補強で何とかならないか」という考えだという。
 同事業は国の補助率が6割にとどまることから、全面建て替えの場合だと事業主体の経済的負担が大きく、市、同社とも事業主体にはならない考えを示している。
 山田部長は「製糖工場は、建物の全面建て替えをやってほしいと県、国に訴えている」と報告。県は製糖業の安定化に向け、3月から4月にかけ、本島を皮切りに県内各地で糖業関係者との意見交換会を開催する考えで、石垣島製糖の新工場建設に関しても、この際に県の方針が説明されるとの見通しを示した。
 砂川氏は県、国の方針について「建物や機械を年次的に更新する流れだと思う。製糖工場としっかり詰めてやっていく必要がある」と同社の理解を得るよう求めた。
 石垣島製糖の現工場は1961年に建設され、築59年が経過して老朽化が進行。1日1000㌧とされる処理能力も、実際には1日平均圧搾(あっさく)量が700㌧を下回り、操業長期化の一因となっている。
 同社は新工場建設の総事業費を約260億円と見積もっており、建設には政府の支援が不可欠とされる。昨年11月には農業関係団体が石垣市で新石垣島製糖工場早期建設総決起大会を開き、約300人が参加した。

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