WHО(世界保健機関)がパンデミック(世界的大流行)を宣言し、感染者数は16日現在、イタリアが2万人超、イランが1万4千人超、スペインは9000人超、フランスは5000人超、ドイツは4800人超、米国は3400人超などとなっており、1000人台の日本よりはるかに深刻だ。
日本は検査数が少ないとも言われているが、中韓や欧米各国に比べれば、感染拡大はコントロールされている状況だと見ていいだろう。
国の専門家会議によると、国内での感染は「増加の傾向にはあるが、爆発的な感染状況には進んでおらず、一定程度持ちこたえている」とされる。
日本の高い医療や衛生水準が感染者数、重症者数、死者数をある程度抑制しているとの見方がある。いずれにせよ、内閣支持率の上昇または下げ止まりは、国民に一種の安堵感が生まれたことを示しているのではないか。
学校の一斉休校も終わり、イベント自粛も解除の動きが始まった。沖縄県も自粛していた主催イベントを今週から再開している。
東京ではJR高輪ゲートウェイ駅開業に大勢の人たちが殺到したことが報じられた。一般国民の人込みを避ける心理も薄れ、やや油断が生じ始めているようだ。
しかし、それこそウイルスが侵入する心の隙である。経済活動の再開は当然の選択だとしても「大丈夫」と思い始めたころが最も危ないという意識を持つべきだ。
安倍政権にはいっそう気を引き締めてほしいし、国民も一人ひとりが予防対策に努めなければ、いつ感染爆発が起こっても不思議ではない。