平成の沖縄は、オンリーワンの存在感を発揮してきた。令和の時代は勢いをさらに発展させ、オンリーワンであると同時に、ナンバーワンの力強さを獲得したい。
観光客は1千万人時代が目前だ。沖縄本島だけでなく宮古、八重山の各離島の観光地も年間100万人以上の観光客でにぎわっている。本島北部と西表島の世界自然遺産登録は、政府が目標とする2020年まで秒読み段階に入った。那覇空港第二滑走路も間もなく完成する。大型クルーズ船の入港に向けた港湾整備も着々と進む。新たな時代に向け、観光産業はさらに規模拡大するだろう。日本が世界に誇るリゾート地である。
ホテル、ゴルフ場などの受け皿整備は急務だ。しかし一方で、自然環境の保全や、開発に反対する地元住民とのトラブルが懸念されている。課題を一つひとつクリアする慎重さが必要だ。
外国人観光客の中には、ショッピングセンターで買い物を楽しんだだけで帰路につく姿も目立つ。沖縄の自然や文化をじっくりと味わってもらう「滞在型観光」への転換をいかに促すか、工夫が求められる。比較的手薄だった欧米からの誘客にも取り組まなくてはならない。観光収入の圏外流出に歯止めを掛けなくては、県民所得の向上は覚束ない。
少子高齢化が進む中で、観光や建設土木業界を中心に人手不足が深刻化している。住民生活に必要な公共施設の整備が遅れたり、住宅建設費が異常に高騰するなど、悪影響がじわじわと拡大している。