【視点】新型コロナ、沖縄経済の変調鮮明に

 沖縄公庫の県内企業景況調査でも、業況判断DIは観光関連業種を中心に急速に悪化している。
 経済危機の中にあって、最優先されるべきは雇用の維持だ。解雇や休業が相次げば社会不安を招き、社会秩序の崩壊につながりかねない。
 しかし大企業はともかく、大多数を占める中小零細企業は人件費などの資金繰りに窮し始めており、経営の瓦解はもはや目前だ。国、県、市町村は、各企業が歯を食いしばって耐えている現状であることを認識し、早急に支援策を打ち出してほしい。
 全国的な感染者の急増はなお続いており、首都圏ではオーバーシュート(感染爆発)の危険性が切迫してきた。近日中に政府が非常事態宣言を発令する可能性も高まっている。
 政府による経済対策の柱は、大幅に減収となった世帯に限った現金給付の方向で固まったようだが、具体的な金額などは、まだ定かではない。
 そうした中、政府が全世帯に再利用可能なマスク2枚ずつを配布する方針を発表した。
 これには安倍政権支持で知られる作家の百田尚樹さんがツイッターで「なんやねん、それ。大臣が勢ぞろいして決めたのがそれかい!アホの集まりか」「そんなことより、緊急事態宣言とか、消費税ゼロとか、金を配るとか、パチンコ店禁止とか、エイヤッ!とやることあるやろ」と批判。政府の発表が、かえって一部の反発を招く事態になっている。
 非常事態だけに、国民の側もある程度の冷静さと余裕を持って、政府の対応を見守ることも必要だ。品薄状態のマスクが届くことで助かる人も多いかも知れない。
 だがいずれにせよ、政府には目に見える対策を迅速に実行してもらわなければ困る。

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