新型コロナウイルスの影響で、沖縄経済の変調が鮮明になってきた。
沖縄は観光業が基幹産業であり、入域観光客の減少は各種産業を波及的に直撃する。
現状は海外路線は空路、海路とも完全停止、国内路線も減便が相次でおり、経済へのダメージは計り知れない。各種調査の数字が、各企業が現状をどのように受け止めているかを示している。
日本銀行那覇支店が1日発表した1~3月期の県内企業短期経済観測(短観)では、企業の景況感を示す業況判断DIが昨年12月調査の「プラス27」から「マイナス1」に低下し、マイナス28ポイント悪化した。
業況判断がマイナスになったのは2012年3月期以来、8年ぶり。低下幅に至っては、沖縄海洋博開催の反動が見られた1975年11月以来のマイナス29ポイント以来、44年ぶりの急減となった。
最近の業績悪化を受け、設備投資を取りやめたり、先送りするケースも出ている。休業に伴う所得の目減り、一時解雇、内定取り消し、退職勧奨も発生しており、今後、雇用・所得へのマイナス影響が一段と大きくなる可能性があるという。
沖縄振興開発金融公庫が3月27日に発表した1~3月期の調査では、新型コロナウイルスの影響で「業況が悪化した」と回答した企業は61.9%。売り上げの減少幅は全体の43.1%が「1割」としているが、飲食店・宿泊業や小売業は「4割以上」という回答割合が高かった。
来期(4~6月期)の見通しに関しては「業況は悪化する」と回答した企業が70.6%に達した。