感染者5日で倍近く、100人目前 県、緊急事態宣言検討せず 新型コロナ

 県内の新型コロナウイルス感染者数は80人を超え、間もなく百人を突破する勢いだ。事態はさらに切迫しているが、県保健医療部の大城玲子部長は15日、現時点で県独自の緊急事態宣言は検討していないことを明らかにした。

 大城部長は報道陣に対し、緊急事態宣言を出す可能性について「(緊急事態宣言に)明確な基準はない。専門家の意見をうかがい、検討が必要」と改めて慎重姿勢を示した。
 県内の感染者数は2月20日まで3人にとどまっていたが、3月21日にスペインから帰国した女性の感染が成田空港で確認されて以来、ほぼ連日確認されるようになった。多くが海外や東京などの大都市圏から沖縄を訪れた観光客や、出張などから戻った県民がウイルスを持ち込んだ「移入例」と見られる。
 ウイルスは感染者の家族内などで2次感染し、さらに感染経路が不明な市中感染へと拡大。県の専門家会議は小規模なクラスター(感染集団)が発生していると見る。2月下旬から1カ月間、感染者が出なかったことによる県民の意識の緩みが、感染拡大を加速させた可能性もある。
 感染は離島の石垣島にも波及。島民の感染者は3月中旬以降に感染した可能性が高く、観光客が大都会から島へ脱出した「コロナ疎開」との関連性が疑われている。
 県内の感染者数は10日時点で48人だったが、5日間で86人に増え、2倍近くになった。14日現在、感染者数が百人を突破したのは16都道府県しかなく、沖縄の深刻度は増している。
 今後は病床、医療機器、医療スタッフを確保し、医療崩壊を防げるかが大きな課題になってくる。15日現在の入院または入院調整中は81人で、県内の感染症対応病床数の2倍に達した。重症者は6人。今後は感染者数の増加に従って、重症者も増加する可能性がある。
 県は軽症者が療養するための宿泊施設確保を模索しているが、15日の時点でも「(事業者と)協議を続けている」としており、確保の見通しを示さなかった。
 感染が疑われる人が受けるPCR検査の数も増加傾向にあり、16日には106件の結果が公表される。今後も感染者数が増加するのは確実な状況。県民の新型コロナウイルスに関する相談窓口となるコールセンターも、つながりにくい状況。県は15日、今月中旬から回線を3倍に増やして対応する方針を示した。

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