石垣市は、陸上自衛隊配備予定地となっている平得大俣地区の市有地約8・8㌶(3筆)について、早ければ今週中から来週初めにも沖縄防衛局と賃貸契約を締結する方針を固めた。現在「大詰めの調整中」(契約管財課)としている。契約は毎年度更新する方針。沖縄防衛局は、陸自配備予定地の大部分の取得を完了することになり、配備実現は確実な情勢となる。
同課によると、契約期間に関しては民法で定める最長期間とする方向だが、防衛省が全国で土地を賃借している事例にならい、毎年度、同省が市に通知して契約を更新する。民法上の契約期間が満了した際は、改めて契約を締結する。
市と沖縄防衛局は賃貸契約に当たり、土地の転貸や目的外使用の禁止、建築物を設置する際の事前協議などを盛り込んだ覚え書きも締結する方向で調整している。賃貸料は年間約850万円。
市議会の特別委員会では22日、市有地を売却・賃貸しないよう求める反対派の請願が賛成少数で不採択となった。市の賃貸契約締結を後押しする結果となったが、もともと市有地の貸し付けには市議会の同意は不要。同課は「以前から賃貸契約に向けた調整を進めており、特別委員会が結論を出すのを待っていたわけではない」としている。
陸自配備に反対する市議会野党は賃貸契約を締結しないよう求めており、反発を強めそうだ。
市は3月、陸自配備予定地となっている市有地のうち13・6㌶(10筆)を沖縄防衛局に売却した。市有地の残りの部分については賃貸する方針を示していたが、賃貸契約は売却とは同時に行わず、持ち越していた。