任期満了に伴う沖縄県議選が29日告示される。石垣市区(定数2)では、ともに2期目を目指す与党の無所属現職、次呂久成崇氏(46)=共産、社民、社大推薦=と野党の自民現職、大浜一郎氏(58)=公明推薦=が出馬表明しているが、他に立候補の動きがなく、12年ぶりの無投票となる公算。告示日に出発式を開く陣営もあるが、新型コロナウイルスの影響で、参加者は少人数にとどめる。無投票当選が決まる午後5時の立候補届け締め切りまで、街宣活動を展開する見通し。
先週から新人1人に立候補の動きがあるとの情報が流れたが、今週に入り当人が否定。24日に開かれた八重山青年会議所主催の公開討論会は現職2氏以外に登壇者はなく、無投票の流れがほぼ固まった。
新型コロナウイルスの影響で活動を制限されているため、2氏とも辻立ちやチラシ配布などを中心に有権者への浸透に努めている。
今選挙は、1期目折り返しを迎える玉城デニー県政の評価を問う事実上の中間選挙と位置付けられる。
玉城知事は米軍普天間飛行場の辺野古移設反対を政策の柱に、政府と対決姿勢を強める。次呂久氏は「県民目線で、基地問題や貧困問題にぶれずに取り組んでいる」と高く評価する。
大浜氏は、政府との対話停滞が沖縄振興に悪影響を及ぼしていると指摘し「知事の資質に欠ける」と手厳しい。
辺野古移設に対しては、次呂久氏は「普天間飛行場は無条件返還を求める」と批判。大浜氏は「普天間返還のための現実的な解決方法」と容認する。
石垣島への陸上自衛隊配備には大浜氏が賛成、次呂久氏が反対姿勢を示し、真っ向から対立している。
両氏とも公約の筆頭には新型コロナウイルス対策を掲げ、次呂久氏は医療、経済、教育を連携させた「八重山モデル」構築を提示、大浜氏は緊急的、中期的、長期的な対策に優先順位をつけて取り組むとしている。