今年は中学校教科書採択の年となっており、八重山地区では石垣市と与那国町でつくる協議会と、竹富町単独の審議会がそれぞれ採択する教科書を選定し、各教育委員会に答申する。市教委によると、協議会開催の日程は現時点で決まっていないが、遅くとも8月末までに採択作業を終える。竹富町教委によると、町の審議会は7月中に採択作業を終えるスケジュールとなっている。
中学校教科書は21社が69種145点を発行している。共同採択地区となっている石垣市、与那国町は「教科用図書八重山採択地区協議会」での協議の結果に基づき、種目ごとに1種の教科書を採択する。
かつては3市町で共同採択地区を構成していたが、2011年、石垣市・与那国町と竹富町が公民教科書の採択を巡って対立した八重山教科書問題を機に竹富町が協議会から離脱し、単独採択地区となった。
竹富町は教科書を選定する組織として「町立小学校および中学校教科用図書採択審議会」を設置。審議会の選定結果に基づいて教科書を採択する。
協議会、審議会とも委員8人で構成し、メンバーは教育委員代表、学校代表、PTA代表、学識経験者。教員が任命される調査員が各教科書を調査し、それぞれが所属する協議会、審議会に報告書を提出する。委員は報告書を参考に教科書を選定する。
県教委は2日、県教科用図書選定審議会から教科書選定の調査資料の答申を受けた。資料に基づき、各教育委員会の教科書採択に対し指導助言する。
文部科学省は「開かれた採択」を目指しており、住民が各社の教科書を実際に手に取る機会もある。八重山教育事務所は小、中学校の全教科書を12日から7月2日まで、八重山合同庁舎1階の石礁ホールで展示する。
採択地区は2019年4月現在、全国に587地区あり、1地区は平均約3市町村で構成されている。