観光客の増加が予想される23日からの4連休を前に、新型コロナウイルスの水際対策を強化するため、県は22日、旅行者専用相談センター(TACO)分室を新石垣空港に設置する。石垣市は現在、サーモグラフィなどで発熱が検知された到着客すべてを県立八重山病院に搬送する独自の水際対策を実施しており、TACO分室もこの方針を引き継ぐ。
県は6月、那覇空港に先行してTACOを設置し、看護師を常駐させている。TACO分室は離島の水際対策として新石垣、宮古の両空港に設置する。
新石垣空港には県の委託先である八重山ビル管理㈱の職員2人が常駐。サーモグラフィで発熱者が感知された場合、本人の同意を得て、空港の一角に確保したTACO分室のスペースに案内する。分室のスペースはビニールなどで仕切りを設ける方針。
職員が八重山病院と受診時間などを事前調整したあと、空港に常駐させる県の搬送用車両で発熱者を病院に搬送する。
那覇空港のTACOは、看護師が発熱者を問診し、必要と判断されれば病院に搬送する仕組み。発熱者全員を病院に搬送する新石垣空港での対応とは異なる。県観光振興課は「石垣市では(独自の水際対策の)スキームができあがっているので、それを引き継ぐ」としている。宮古空港も新石垣空港と同様の対応になるという。
県は来年3月末までTACO分室を継続する方針を決めている。
八重山病院では、医師が必要と判断した場合、PCR検査を実施。抗原検査も可能になっている。ただ発熱者の病院への搬送、検査は、いずれも本人の同意が前提。市は新型コロナ対策条例に基づいて受診を要請することになる。
新石垣空港では現在、到着客の出口は1カ所だが、22日から2カ所に増えることになった。県は双方にサーモグラフィと体温チェックの人員を配置する。
市は現在、新石垣空港に市が職員2人を常駐させているが、TACO分室の設置後も当面、職員の配置を継続し、水際対策を強化する。
県は状況によって、TACO分室と那覇空港のTACOの看護師をリモートで結び、健康相談を実施することも検討している。