米軍那覇港湾施設(那覇軍港)の浦添沖移設について、県と那覇、浦添両市は24日、「浦添ふ頭地区調整検討会議」を正式に設置して移設位置を検討し「那覇港施設移設に関する協議会」の中で移設に向けた協議を進める方針を固めた。同日午前、玉城デニー知事、那覇市の城間幹子市長、浦添市の松本哲治市長の3者が会談し、合意した。
那覇軍港は1996年のSACО(日米特別行動委員会)合意で浦添市への移設を条件に返還が決まったが、移設位置を巡り、県や那覇市が「北側案」、浦添市が「南側案」を提示し、意見が対立している。
24日の会談では、北側案と南側案の両案について、技術的な検討を進め、結論を出すことを確認した。
浦添ふ頭地区調整検討会議は、移設協議会の中で、技術的検討を行う目的で暫定的に設置され、過去3回開催されているが、正式な会議として設置を目指すことが決まった。
構成員は、県の土木建築部港湾課、那覇市の都市未来部都市計画課、浦添市の西海岸開発局西海岸開発課、那覇港管理組合計画課。
会談後、玉城知事は「これまでの基本的な方向性を確認した」と述べた。松本市長は「北側案、南側案、これから出てくるかもしれない新たな案を踏まえ、3者が合意できる部分を探す」と強調。「現行計画が進む可能性も否定しない」と述べ、北側案を了承する可能性にも言及した。ただ「現行計画は時代にそぐわない。専門家の意見を踏まえ、変更できる部分は、見直しを求める」とも主張し、移設方法を巡り、有識者の意見を参考にする考えを示した。
会談では、那覇市と浦添市の沿岸部である那覇港湾区域は、将来の県経済の振興・発展に大きく寄与する重要地域であると確認。沖縄がアジア地域で重要な地位を確立するため、区域全体の包括的な整備と臨空・臨港・都市観光の拠点形成を急ぐことも確認した。