石垣市教育委員会は11日、2021年度から4年間使用する中学校教科書を採択した。公民は育鵬社版が選ばれた。育鵬社版は2011年、15年に次いで3回目の採択。
石垣市と与那国町で組織し、教科書を選定した教科用図書八重山採択地区協議会が7日付で教科書採択について市教委に答申。市教委が11日の臨時会で採択した。
市教委学校教育課によると、同協議会は6月8日に定期総会を開き、翌9日、同協議会委員と調査員に教科書を配布した。
調査員は7月17日までに教科用図書採択に向けての調査研究報告書を提出。同25日までには同協議会委員へ報告書が届けられた。
同協議会は8月6日、教科書を審議・選定し、7日付で市教委に答申を提出している。
今月6日の同協議会では、議長を除く7人が審議・選定を行い、公民に関しては4人が育鵬社版、2人が東京書籍版、1人が帝国書院版を推したため、再協議を実施。
育鵬社版の推薦理由として①国際比較の内容が多い②文字が読みやすい③題材が身近で自分事として学べる―などの意見が出され、投票の結果、育鵬社版6人、東京書籍版1人で選定を決めたという。
調査研究報告書には「学習指導する際に補足・注意が必要とされる主な内容」への記載欄もあるが、候補として挙がっていた6社の教科書のうち、育鵬社版を含めた4社には記載がなかった。
市教委は11日、委員会事務局2階ホールで臨時会を開き、委員4人が採択決議に臨んだ。
公民教科書に関して委員からは「(育鵬社版は)保守的な記述があり、反発する声も多い」として、審議・選定の経過説明を求める声が出た。市教委の説明後は全会一致で選定通りの教科書全てが採択された。