コロナ禍にあっても伝統文化を継承し、八重山戦争マラリアなど、戦没者らの追悼・供養も行おうと、いしゃなぎら青年会(内原英彦会長)は旧盆(ソーロン)中日に当たる1日、字石垣の戦時中の避難地が見渡せる外山田地区で、アンガマを実施した。
「新型コロナの中ではあるが、どうやったら伝統文化を残していけるかと考え、75年の節目でもあるので、戦時中の避難地でやろう」と内原会長が呼び掛けた。
8月15日、石垣字会(森永用朗会長)は沖縄戦後75年の節目として「石垣住民避難地追体験」を行なった。
当時、字石垣でのマラリアによる死亡者は150人ほど。
内原会長も参加しており、戦没者らの追悼・供養と伝統文化の継承を同時に実現しようとアンガマの実施を考えた。
この日は、青年会の5人が、あの世からやってきた遠祖神とされるウシュマイ(爺)、ンミー(婆)、ファーマー(子や孫)に扮した。
ウシュマイ、ンミーは仮設された仏壇に手を合わせ拝礼。先祖のおかげである現在の平和に感謝し、コロナの早期終息を願った。
地方の演奏に合わせて①無蔵念仏節②いしゃなぎら口説③山崎ぬアブジャーマ―を披露した。
内原会長(25)は「ほっとしている。とにかく一生懸命にやった。先祖も喜んでいるのではないか」と振り返った。
森永会長は「避難地追体験を受けて、内原会長から話があった。ソーロンにふさわしい」と話した。