文部科学省が児童生徒に1人1台のタブレット端末を配布する「GIGA(ギガ)スクール構想」実現に向け、石垣市教育委員会は、開会中の9月議会に約2億5千万円の予算案を上程している。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、タブレット端末などを使ったオンライン授業の動きが加速。市教委は、インターネットを活用する学習について「児童生徒に学習意欲をつけさせるためにも有効」と期待している。
オンライン授業が実現すれば、教室と島内外の別の場所をつなぎ、島外在住者も含めて多様な人材を講師として招くことも可能になる。
市教委は来年度以降のオンライン授業実現を目指し、学校の通信環境整備、児童生徒に対する端末使用方法の指導などを進める。
GIGAスクール構想は3年計画となっており、文部科学省が初年度の今年度、児童生徒の3分の2にタブレットを配布するための補助金を交付する。市教委は市議会12月定例会での予算案上程を予定している。
残り3分の1の予算について、市教委は国の地方創生臨時交付金を財源に、今議会で先行して措置した。年度内に全児童生徒へタブレット端末を配布することが可能になる。
市教委によると、6月1日現在の児童生徒数は4972人。今議会に上程された一般会計補正予算案では、約1660人分のタブレット端末を購入するための補助金を計上した。ほかに、各教室に1台ずつ電子黒板を設置するための事業費も盛り込んでいる。
購入するタブレット端末の機種や機能は未定。市教委は「石垣の現状に合わせたものを発注したい」としている。今議会で予算案が可決された場合、12月議会で児童生徒の残る3分の2の補助金が可決されるのを待って、全児童生徒分のタブレット端末を一括購入することも検討している。
市教委が6月に実施した児童生徒対象のアンケートでは、自宅でWi―Fi(ワイファイ)環境が整備されている小学生は81%、中学生は85%。オンライン授業を希望する割合は、小学生76%、中学生78%だった。
市教委学校教育課の前三盛敦課長はGIGAスクール構想について「いつでも、どこでも学習でき、授業の可能性が広がる。児童生徒に学習の意欲づけができる」と意義を強調した。