「事前説明なく遺憾」 石垣市 陸自ゲート新設で批判

陸自駐屯地地のゲート設置予定地周辺で現場を確認する「石垣島に軍事基地をつくらせない市民連絡会」メンバー=7日午後

 石垣島平得大俣地区で進む陸上自衛隊駐屯地建設計画で、開南地区に面した県道87号線沿いにゲートが新設されることを受け、石垣市が「事前説明がなく、報道を通じて知ることとなり、大変遺憾」と批判する文書を防衛省沖縄防衛局に送付していたことが分かった。中山義隆市長は14日の市議会一般質問で「駐屯地建設は周辺住民、あわせて市民の理解を得なければならない。説明会などで詳しい説明をするよう申し入れた」と述べた。

 一般質問で野党の大濱明彦氏がこの件を取り上げ、ヘリやオスプレイのグラウンド着陸に伴う大型車両の出入りや、周辺が通学路であることを危惧。「地域住民の生活に大きく影響することは間違いない」とゲート新設の中止を求めた。
 知念永一郎総務部長は「生活環境への影響が考えられるにもかかわらず、市、地域住民への事前説明がなく、大変遺憾」と述べ、同趣旨の文書を9日付で防衛局に送付したと報告した。文書では、今後は住民の不安を招くことがないよう、事前に情報の公表や説明を行うことも求めた。
 知念部長によると、ゲート新設の目的について防衛局は「駐屯地を災害時の救援拠点として活用するため、グラウンド近郊にゲートを設け、各種車両がスムーズに通行することを想定した」と説明した。中山市長も「通常は使用せず、救援活動をした場合に利用する臨時的なゲート」との認識を示した。
 ゲート新設の中止要請については「詳細を確認する前に『やめてください』という話はしない」と述べ、防衛局の詳細な説明を待つ考えを示した。
 ゲート新設計画は「石垣島に軍事基地をつくらせない市民連絡会」が情報公開請求で判明。防衛省は用地造成工事着手前に開いた住民説明会でこの件を説明しておらず、連絡会は7日の記者会見で「住民の合意も説明もなく進められている」と反発していた。

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