米軍普天間飛行場の辺野古移設は14日、政府による辺野古沿岸部での土砂投入が始まり、新たな局面に入った。玉城デニー知事は辺野古沖合に軟弱地盤が存在するとして、改良工事の際、将来的に知事権限を行使して対抗する考えを示すなど、移設阻止を目指す意向を強調した。
県庁で記者会見した玉城知事は「司法ではなく、対話で解決をすべきと強く言ってきた。あらゆる手段を講じる」と語気を強めた。同日から始まった国地方係争処理委員会の審査について謝花喜一郎副知事は「負けることは想定していない」と強気の姿勢を示した。
玉城氏は同日、辺野古で開かれた反対派の集会にメッセージを寄せ「(知事の許可が必要な)軟弱地盤への対応が必要で、辺野古新基地建設の完成は見通せない」と表明。「県内外で行動する皆さまや、この問題の重さを受け止めている米国市民の皆さまと共に毅然として行動する決意だ」と述べた。
会見では国への対抗策について「何ができるのかを常に庁内で話し合い、毅然として物事と決めていきたい」と述べたが、具体策は示さなかった。辺野古での抗議活動に参加しない理由を「緊急的な状況だ。私が県庁を離れるよりも、ここで協議を重ねる」と説明した。
県は防衛省の調査結果などを基に、埋め立て予定海域東側の海底に強度が低い地盤が存在すると指摘している。地盤改良が必要となった場合は計画変更の届け出が必要だが、県知事が不許可とすれば工事は停止する。
ただ、地盤改良が必要となった場合でも、届け出の時期がいつになるかは不明で、その間は14日に始まった南側の区域で埋め立て作業は進むことになる。