長期滞在型の持続可能ツアーに コロナ後見据え、新プログラム提案 石垣島OU

与那国馬の乗馬体験が行われた=25日午後、明石橋海岸

 石垣島で自然体験ツアーを行なっている21事業者から構成される団体「石垣島アウトフィッターユニオン」(大堀健司会長、以下石垣島OU)が25日、新型コロナ後を見据えた長期滞在型の持続可能なツアープログラム「石垣島北部の自然と伝統を生かしたサスティナブルツアー」を明石橋海岸で開催した。

 同企画は環境省の「2020年度(補正予算)国立・国定公園への誘客の推進事業」の採択を受けて実施するもの。
 コロナの影響で休業状態に陥っている自然体験プログラムをもつ事業者が主体となり、コロナ終息までの経済的支援と、終息後に展開できる長期滞在型の新プログラムとして石垣島OUが提案した。
 今回は、化石燃料による動力を用いない木製帆船・カヌー・乗馬と、プラスチックを排出しない自然素材の草鞋(わらじ)を使った国立公園内をモデルコースとするモデルツアーを実施。
 島在住者約30人が参加し、自然環境に負荷をかけないアクティビティを楽しみ、石垣の自然を満喫した。
 赤嶺慎之助君(八島小2年)は幼稚園で作った櫂(かい)を持参して初めてのサバニを体験。「波が強かったけど、いっぱいこいで楽しかった。あと100回は乗りたい」と笑顔を見せた。
 母・綾子さんは「モノに不自由のない生活が当たり前になっている。風を利用することでこんなに(サバニが)早く進むとは」と自然の力を体感していた。
 大堀会長は「長期滞在期間の一部で自然を楽しみ、参加した人が環境意識を高めるようにできれば、自然を利用させてもらっている意義もある」と強調。「エコツーアーと称して自然に過度な負担をかけている事業者もある。そこと線引きをしていきたい」と意気込んだ。
 11月18日からは2泊3日で、島内外から障がい者なども含む約10人をモニターとしたモデルツアーを実施する予定。
 石垣島OUは安全訓練や遭難者の救助訓練などを定期的に行うことで事業者の安全対策技術を維持・向上させることを目的に、難事故防止や自然環境の保全など、個人では実施困難な活動を協力して展開している。

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