さまざまな分野の有識者たちが島嶼地域の課題解決をする場「アイランダーサミット石垣2020」(主催・同実行委員会)が22日、ANAインターコンチネンタル石垣リゾートを舞台にオンラインで開催された。2年目の今年度は「ワーケーション型ツーリズムの可能性」や「島から考えるニューノーマル時代のSDGs」など4つがテーマに、研究者、企業、行政、アーティストなどがオンラインで島に集い、多彩なアイディアを共有し、実現への一歩を踏み出した。
今年度から民間による自主運営型になったサミットでは①ワーケーション型ツーリズムの可能性②島から考えるニューノーマル時代のSDGs③宇宙開発と離島振興の未来④デジタル社会とアイランド経済の進化―の4つをテーマに各界の有識者が多彩なアイディアを共有した。
このうち「ワーケーション型ツーリズムの可能性」では、有識者らが石垣島における可能性を模索した。
KDDIライフデザインサービス企画推進部の大野高宏部長は特定の時期にさまざまな企業を集めてのマッチングイベントの開催や夏休み期間を利用した家族全員が行える職業体験を提案。「最終的には移住につながるワーケーションを」と期待した。
中山義隆石垣市長は「ワーケーションに来た人たちが次のビジネスにつながることを創出してくれれば支援もできる」とし、「島でいろんな人と会って情報を集められる場も必要だと思う」と話した。
八重泉酒造の前泊亜子氏は「性別の役割分担をリセットし、家での当たり前を変えてみることで気づきや絆につながるのでは」と問いかけた。
ゴーヤカンパニーの伊良皆誠代表は「人に出会える感動や楽しいと思える心など、人間性を残せるワーケーションを目指す必要がある」と今後の動向を見据えた。
意見交換後、サミット総合プロデューサーの渡邉賢一氏は「今回は予算ゼロでのスタート。各自が自費で参加していて、すでにワーケーションを実践している。そしてUNWTO国連世界観光機関や観光庁も注目しているサミット」と強調。
来年度開催について「市新庁舎を会場に企業や地域とガッツリ組んで、皆でアイディアを出しながら実施したい」と意気込んだ。