意識づけで体験を経験に 中山氏「非認知能力伸ばして」 学力向上講演会

講演に聞き入る八重山地区の教師ら=28日午後、八重山合同庁舎2階大会議室

 2020年度八重山地区学力向上推進講演会(主催・八重山地区学力向上推進委員会)が28日午後、八重山合同庁舎で行われ、岡山大学の中山芳一准教授(44)が「新しい時代に必要な資質・能力の育成~非認知能力の育ち方、育て方~」と題して講演した。中山氏は向上心や協調性など点数化できない「非認知能力」を言語化し、子どもの行動から具体的に非認知能力を見取ることで、取り組んだこと(体験)を内面化すること(経験)への手伝いをするよう訴えた。

 中山氏は非認知能力について①自制心などの「自分と向き合う力」②向上心などの「自分を高める力」③協調性などの「他者とつながる力」―の3つの能力群に分類した。
 その上で①科学と医療の超加速度的な進歩の時代②不安定・不確実・複雑・不明確な時代―などの時代状況を指摘し、「状況の変化に応じて自分が、他者が、どこで納得できるかを見出だす時代。正解ではなく『納得解』を見出すためにも非認知能力が必要」と強調。
 非認知能力の伸ばし方について、「子どもが自分自身で意識しないと伸ばせない」とし、教師や親が子どもの行動プロセスの中にある価値を具体的に見取り共有する「意識づけ」の必要性を訴えた。
 意識づけ実現に向け、①伝えたい非認知能力を言語化することで「非認知能力レンズ」を持ち、見取った具体的な諸行動の共通点を抽出した「行動指標」として項目化する②生徒に非認知能力を意識させ自ら伸ばすための機会をつくる「ギミック」(仕掛け)を教育実践で展開する―と提案。
 「ギミックで体験を豊かにし、意識づけで体験が内面化された経験に変える手伝いをする。振り返りは、先生にとっては実践の改善に、子どもにとっては自分から価値あることを意識し行動強化する学びになる」と訴えた。
 講演の前には八重山教育事務所が新学習指導要領の学習評価と、「県学力向上推進5か年プラン・プロジェクトⅡ」に関する説明も行われた。
 同会には八重山地区の教員ら約120人が参加した。

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