石垣島平得大俣地区に建設される陸上自衛隊駐屯地の新たなゲートが開南地区の民家に近接しているとして住民が反発している件で、沖縄防衛局はゲート位置を再検討する方針を固めた。7日の市議会一般質問で知念永一郎総務部長が報告した。
ゲート位置を巡っては、防衛局が11月2日に市と4地区の公民館長らを対象にした説明会を開催したが、公民館長らは退席した経緯がある。その後の意見交換で、中山義隆市長がゲート位置を民家から離れた場所に変更できないか打診していた。
市が同5日付文書で防衛局に再度、4地区対象の説明会開催を求めたところ、防衛局は24日付文書で、ゲート位置について「今後、さまざまな観点から検討していく。4地区への説明は、検証ののちに改めて市と調整したい」と回答した。市は同25日付文書で、4地区に防衛局の意向を伝えた。
知念部長は「防衛省には市民の不安が招来されないよう、このような情報は事前に公表するなど、適切に対応するよう申し入れている」と述べた。
この件で質問した長浜信夫氏は、11月2日の説明会について「住民を分断するような単なるセレモニー的な説明会で、都合よく、公民館の代表者だけに説明責任を押し付けた」と批判した。
八重山防衛協会が防衛省が八重山への海上自衛隊誘致を要請したことについて長浜氏は「市長は要請と関係ないようなニュアンスの報道がされているが、防衛協会の顧問だ。全く言い逃れにしか聞こえない」と中山市長を追及した。
中山市長は「防衛協会で行動しているもので、石垣市が動いているものではない」と改めて要請活動への関与を否定。「海自が必要かどうかは国の専権事項なので、意見を聞かせていただいた上で市長として判断をする。誤解されているかも知れないが『国の専権事項だから国がやることに市長がもろ手を挙げて賛成する』ということはない」と強調した。
長浜氏は「戦争につながるいかなる基地建設にも断固反対する。市長の言い訳がましい答弁は、私からすれば詭弁だ」と批判した。