石垣市障がい福祉課は18日夜、2020年度市自殺対策強化事業として、初の試みとなる時間外相談会「年末こころの電話相談」を実施した。市では有職者男性の自殺者が多いことから、日中に仕事をしている男性が相談しやすい時間帯での新たな試み。時間外相談を継続するかは今後検討される。
市では18年8月から、同課の市障がい者基幹相談支援センターに「こころの健康相談員」を設置。市役所内同課に相談窓口を設け、今年10月からは専用回線も敷いた。
精神保健福祉士1人を配置し、保健所・警察・消防署と連携しつつ、窓口のほか、電話相談と訪問相談でも対応している。
市の14~18年度のデータでは、40~50代男性で有職者・同居人有りの自殺者が多く、次いで同条件の30代男性が多い。
平日・日中に働く男性からの相談は、そのタイミングが様々に想定されることから18日、「『死にたい・辛いを』2021年に持ち越さない」として、初となる時間外相談会を実施した。
この日は午後6時から午後9時まで、同センターの有資格者5人での体制で臨んだ。
相談件数はゼロ件だったが、時間外相談会を継続するかは今後、検討していくという。
こころの健康相談員を務める兼久輪香子さんは「年末年始にかけて暗い気持ちになりやすい。石垣の男性は我慢する人が多いので、自分から助けてと言える『受援力』をもって」と強調。
「同僚や家族の人は目配り、気配り、声掛けをしてもらい、こちらに繋いでいただければ」と呼び掛けた。
石垣市の過去3年間の自殺者数の推移は17年度10人、18年度7人、19年度8人。今年度は上半期(4~9月末)だけで7件と、すでに昨年度を上回っている。
相談件数も倍増しているが、新型コロナの影響に加え、こころの健康推進員の存在が認知されてきていることも影響しているとみており、﨑山佐和子課長補佐は「少しでも話を聞いてくれる場所があるということを知ってもらえたら」と話した。
自殺の電話相談は平日午前9時から午後4時まで、専用回線℡87・9211で受けている。