自治基本条例「再構築を」 〝最高規範〟〝住民投票〟見直しへ 石垣市

中山市長に答申書を提出した自治基本条例審議会の新里会長(右)=18日午後、市役所

 石垣市自治基本条例審議会(会長・新里裕樹八重山青年会議所前理事長)は18日、同条例を新たな形で「再構築」すべきとする提言をまとめ、中山義隆市長に答申した。同条例が自らを「最高規範」と位置付けている規定や、住民投票に関する規定などを改正すべきとしている。審議会の答申を踏まえ、市は今後、同条例の抜本的な見直しを迫られる。

 具体的な見直し事項として提言したのは6点。このうち、同条例を「最高規範」と位置付ける条文に関しては「(同条例が)憲法や法律といった上位の法規範の上に来るものとも読め、法体系上整合性が取れない」と改正を求めた。
 住民投票の規定については、具体的な内容が判然とせず、関連する条文の整合性にも疑問があるとした。
 同条例が「市民」を市内で働き、学び、活動する人と定義したことに対しては、審議の過程で「『市民』に反社会勢力なども含まれることになる」と批判が出ていた。答申では、広過ぎる市民の定義に対し「地方自治法と明らかに齟齬(そご)をきたしている」と指摘した。
 一方でテレワークや多拠点居住など、現代社会の多様な居住実態を反映させた条文にすべきとの意見があったと記した。
 男女共同参画に関しては、LGBTなどの性的少数者の社会参画保障も追記すべきとした。
 地方自治法で定められている事項と重複する条文の削除、市民憲章との整合性を取るための条文追加も求めた。
 18日、市役所を訪れて中山市長に答申書を提出した新里会長は「フラットな状態で、さまざまな意見を出しあった。市民のためになる自治基本条例であってほしい」と強調。中山市長は「答申をもとにしっかり検討を重ね(条例見直しの)成案を取りまとめたい」と述べ、条例改正を目指す意向を示した。
 答申に先立ち、審議会は最終回となる第4回会合を市役所で開き、委員の意見を取りまとめた。

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