与那国町西崎に記念碑 「人間の歴史にも触れて」 3万年前の航海プロジェクト

(右から)実際に漕いだ原康司さん、村松稔さん、田中道子さん、宗元開さん、鈴木克章さんと、サポーターの花井沙矢香さん=4日、与那国町西崎(国立科学博物館、太田達也氏撮影)

 台湾―与那国間の丸木舟での実験航海「3万年前の航海 徹底再現プロジェクト」の成功を記念し、独立行政法人国立科学博物館(林良博館長)が4日、国境の海を望む日本の最西端、与那国町の西崎(いりざき)灯台の脇に記念碑を建立した。プロジェクトの代表を務めた同館の海部陽介人類史研究グループ長は「日本の最西端で海を見てほしい。祖先たちが海を渡って来たことは非常に感慨深い。沖縄の素晴らしい自然に加え、ぜひ人間の歴史にも触れてほしい」と話した。
 同プロジェクトは、旧石器時代の人がどのように海を越えて日本列島へ渡ってきたかを、学術的根拠に基づいた実験航海によって解き明かそうとするもの。
 全長7.5メートルの丸木舟「スギメ丸」の漕ぎ手に、日本人・台湾人を中心にカヤックのガイドなどの経験豊富な男女5人が選出。

 2019年7月7日午後に出航し、台湾東部海岸の烏石鼻から与那国島久部良ナーマ浜までの225キロメートルを、45時間で「漕破」した。
 記念碑は丸木舟と黒潮の波がモチーフ。正面にはプロジェクト名とともに、「最初の琉球列島人は3万年以上前に黒潮の海を越えてやってきた 彼らの挑戦を知るための丸木舟の実験航海 男女5人が台湾を発ち 45時間かけて与那国島にたどり着いた」と刻まれた。
 このほか、出航・到着時刻、航行距離・時間、航路簡略図、側面にはプロジェクト関係者と協力者の個人・団体名が記されている。
 同灯台は日本列島の最西端に位置する観光名所。近海は黒潮が流れ、天候次第では水平線上に台湾が臨める。
 碑は同館から与那国町に資産譲渡され、今後は町の管理となる。

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