【視点】石垣市も「重点措置」適用対象に

 県は、新型コロナウイルスの「まん延防止等重点措置」適用地域に石垣市を追加した。石垣市では5月に入って感染拡大が続いているが、今後、さらに大型連休期間中の感染者が急増する可能性も指摘されている。「第4波」とされる波に歯止めを掛けることができるか、正念場を迎える。
 「重点措置」は業態や地域を絞って新型コロナウイルスの感染を抑え込むために新設された制度で、緊急事態宣言の前段階となる。沖縄県は4月9日に政府から指定された。
 適用地域は当初、沖縄本島の9市だけだったが、その後範囲が拡大され、今回の石垣市追加で11市5町になった。
 県は適用地域の飲食店に、テイクアウトやデリバリーを除き、午後8時までの営業時間短縮、酒類提供の午後7時終了、入場者のマスク着用、アクリル板設置などを要請。正当な理由なく従わない店舗には、過料の罰則付きで命令できる。要請に応じた店舗には、規模に応じて協力金が支払われる。
 期間は当初、11日までだったが、感染拡大が続く状況を受け、31日までに延長された。
 石垣市は当初、沖縄本島や宮古島に比べ感染状況は落ち着いており、今月1日の聖火リレーも観客が見守る中、公道で行うことができた。
 しかし4日以降、一転して感染拡大が顕著になってきた。目立つのは若者が飲食で感染する事例だ。感染者ゼロがしばらく続いたことで、若者を中心に気持ちの緩みが生じた可能性は否定できない。
 観光客が多数来島するなど、人の動きが活発になった大型連休中の感染者は、今後2週間で発症すると見られるという。感染者の増加が今後も続けば医療機関が再び逼迫(ひっぱく)することになり、医療体制が脆弱な離島住民にとって大きな懸念要因となる。
 石垣市では既に多くの飲食店が時短営業しているが「重点措置」適用を契機に、改めて多くの店舗の協力を求めたい。住民側も従来にも増した感染対策の徹底が必要になる。
 沖縄本島や宮古島では、感染力が従来株より強い変異株が主流になりつつあり、事態はさらに深刻さを増している。
 石垣市でも今後、感染者が増加すれば、変異株の割合が上昇することは避けられないだろう。感染対策が困難さを増す前に、ワクチン接種を着実に進めなくてはならない。
 竹富町では竹富島を皮切りに住民一斉接種が始まり、石垣市、与那国町でも近く集団接種がスタートする。接種の予約方法など、まだ住民に周知されていない手続きは多い。各自治体には、接種率向上に向けた広報活動が求められる。
 玉城デニー知事は、大型連休中に親族とバーベキューをしたとツイッターに投稿した。軽い気持ちだったのだろうが、批判が殺到し、知事は謝罪と投稿の削除に追い込まれた。
 石垣市でもバーべlキューが原因と思われる感染者が出ており、県は「屋外でのバーベキューでの感染事例も確認している」と県民に自粛を呼び掛けている。こうした状況下の知事の投稿だ。県の感染対策を揺るがすような問題ではないのだろうが、リーダーの危機意識の希薄さが露呈されたのなら不安である。

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