石垣市が高齢者を対象にした新型コロナウイルスワクチン接種を加速させている。2週連続で金、土、日曜日の3日間、集団接種の予約枠を約930人増やし、接種人数は1日最大830人に達した。接種者の累計は17日から25日までの9日間で2800人になった。市は6月までに希望する高齢者全員の接種を完了させ、7月から64歳以下の接種をスタートさせたい考え。
市によると集団接種がスタートした17日以降、予約数が大幅に増え、当初設定した週末の予約枠が埋まる可能性が高まった。このため急きょ、金曜日以降の21日から3日間の予約枠を約930人拡大した。
1日当たりの接種人数は第1週の月~木曜日は最大170人程度。金曜日から3日間は県医師会などが応援に入って接種体制が強化され、金曜日の21日は275人、22日は728人、23日は830人と一気に増えた。
市は今週も金曜日の28日から3日間の予約枠を約930人増やす。来週も同様に増やす方向。
市健康福祉センターの担当者は「接種は順調に進んでいる。多少混み合うこともあるが、大きなトラブルはない」と話した。現時点で大きな副反応も報告されていないという。
中山義隆市長は高齢者へのワクチン接種を早期に終え、64歳以下に接種するワクチンの優先配布を国、県に求める方針を示す。接種作業の加速は、市長の意向も背景にある。
22日には浦添市の松本哲治市長が会場視察のため来島。松本氏はツイッターに「浦添市とはハード面での課題や条件などが異なるが、急ピッチでワクチン接種を進める点は共通しているので大変参考になった」と書き込んだ。
石垣市の65歳以上の高齢者数は1万1107人(4月3日現在)。市はこのうち約9000人が集団接種を受けると見ている。6月には各医療機関で個別接種も始まり、現在のペースで作業が進めば6月中に希望者全員の接種が完了する。
集団接種の会場は市総合体育館メインアリーナ。平日は八重山地区医師会の医師や看護師が接種業務に当たる。毎週金曜日から3日間は県医師会、県看護師会、県薬剤師会が応援の人員を派遣する。
当日にキャンセルが出た場合は、窓口業務に当たる市職員、民生委員などに接種している。予約はコールセンターとインターネットで受け付けているが、パソコンに不慣れな高齢者のため、市役所ロビーなどにサポートデスクを設けた。